tamエディターの「リアルを支えるおまもり」について語る連載「editor's amulet」。
第3回は、和装時に欠かせない「謎の名前のアレ」についてtamプロデューサーYukakoが調査。
使い方のコツに関してもご紹介していますので、これからの時期、浴衣を着る時にぜひ試してみて。
連日猛暑日が続きますね。
関東では一足先にお盆が終わりましたが、夏はこれから。夏のイベントでは情緒と機能性の両方を兼ね備えた日本の伝統的なカジュアルウェア、浴衣の出番も多くなるはず。
そして快適な着物ライフに欠かせない「謎の名前のアレ」の出番です。
「謎の名前のアレ」とは、ずばりコーリンベルト。
私は浴衣時には1本、着物時には襦袢と着物の両方の計2本つけています
「なくても大丈夫」と言う人も多いですが、個人的には浴衣の時にはコーリンベルトをした方が良いと思います。まさに「あるとないとじゃ大違い」。
私の場合は、コーリンベルトをしないと浴衣の胸元が浮いてガバガバになり「しどけない」を通り越して「襲われた直後の人」みたいになってしまうので、本当になくてならないものなのです。
カジュアルウェアだからこそ、胸元にキチンと感を出したいですよね。
襟を抜けば、しっかりめに留めても首筋から風が入り、見た目の涼やかさだけでなく大人の色っぽさも感じられます。
コーリンベルトの名前の由来は?
「なんでカタカナ?車の後輪?尾形光琳?まさかのcalling?」など、使うたびに悶々としながらも深く考えずに過ごしてきましたがこれを機に調べてみたところ、京都市で美容師をされている方のブログがこれ以上ないほど簡潔にまとめられていらっしゃったので引用させていただきます。
またこの名前は何で付いたのか疑問を抱きますね。コーリンさんという人が発明したベルトかな、と簡単に考え勝ちですが全くそうではありません。 (中略) その京都の北区紫野にある会社コーリンの創設者、高林三郎という人が昔からの着物を常に着る文化はいつか廃れてしまうのではないか、と言う危機感を抱いてからいつの時代でも、着物を簡単にそして長時間着た状態でも苦しくならない様にするにはどうするべきか、と研究を重ねて開発されたのがコーリンベルトと言う装着用具だったのです。
ちなみにこのコーリン株式会社は、国際特許を取得した「j-senクリップ」のほか、特許・意匠登録・実用新案 多数取得している和装着関連商品メーカーです。
着物の着付け方は本当に人それぞれ
一般的に「着物を着るときには鳩胸に補正」と言われていますが、私は生来の鳩胸にも関わらず、襟元が浮いて開いてしまい「鳩胸ダメじゃん!」となりました。おそらく首の付け根の僧帽筋、肩幅、肩の形や肩甲骨周りの肉の量などが影響をしていると推察します。
着物は洋服のように立体裁断されていないため長く着ることができる反面、体調や体型の変化により日々着付け方が変わるという難しさもあります。自分の体を一番よく知る自分が、自力で着物を着付けられなくてはならないのだと日々実感しています。
これまで何度もトライ&エラーを繰り返した結果、私は襦袢と着物の両方にコーリンベルトをつけるという着付け方に落ち着きました。
そして着物の時のコーリンベルトのコツはやや緩めにするということ。
ピーンと張りたい気持ちにもになりますが、コーリンベルトはゴムなので張りすぎると左前の半襟が引っ張られて見えすぎ&右は後ろに引っ張られて隠れてしまうという事態になってしまいます。特に新品のコーリンベルトを使うときにはあらかじめ伸ばしてから使うことをおすすめします。
留める位置はお端折りの仕上がり具合や補正の有無にもよりますが、概ね腰のくびれに沿ってで大丈夫です。
襟元が浮く、半襟がみえなくなるという人におすすめ
私の周りにはコーリンベルトを使わなくても良いという人や、使ったとしても着物だけで襦袢には使わない人が多いです。
私の失敗例としては、襦袢にコーリンベルトをつけないでみたところ、半襟が前へ前へ動いてしまい、最終的には着物の襟に隠れほとんど見えなくてなってしまうという恐ろしい事態になったことがありました。
「なくても大丈夫なもの」ではありますが、私と同じ「襟元が浮く」「半襟がみえなくなる」という悩みを持つ人にはぜひ試してみていただきたいと思います。
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