ホリデーシーズンを迎えたロンドンのデパートより(後半)


弾丸ジェットセッター Makoのトラベル連載第6回。

クリスマスの華やかなムードに包まれた冬のロンドンについて語る後編。




クリスマスムードが高まり一気に華やぐこの時期、ロンドンでは個性溢れるデパート巡りやクリスマスマーケットを覗くのも、旅先の楽しみのひとつ。

王室御用達の老舗百貨店 フォートナム・アンド・メイソンは、大英帝国が誕生した1707年の創業から、実に300年以上の長い歴史を守り続けてきた。

1756年に現在のピカデリーサーカスにほど近い一等地に移転してから今もなお、歴史の趣きを感じさせるエレガントで悠然とした佇まいを見せている。



日本では紅茶やジャムが有名なイメージだが、圧巻の品揃えのフードホールには、さまざまなフレーバーの紅茶類にジャムやママレード、アンチョビやレバーペースト、チリペッパーなどの香辛料系に至るまで、

ここに来ればまず揃わないものは無いというほど、バリエーション豊かな食品の種類を取り揃えており、1つ1つを吟味していると時間があっという間に過ぎてしまう。



バターが大好きなので日本未発売の珍しいフレーバーにはつい手が伸びてしまうのだが、この時期は一部クリスマス限定の美しいデザインでお目見え。

ベリーピンクが美しい甘酸っぱいクランベリーバター(写真左)、お茶うけにも喜ばれる軽い甘さのショートブレッド(同右)も、華やかなクリスマスパッケージでお土産にも最適。

芳醇な香りを堪能できるシャンパンバター(中央)は、いつものパンケーキやトーストも大人の味へ格上げしてくれるだけでなく

ムニエルなど魚料理のソースの仕上げにレモン汁と一緒にひとさじ加えるだけで、甘やかなフレーバーがふわっと広がり鼻腔をくすぐる魅惑の逸品だ。



現在のフォートナム・アンド・メイソンのショップの中核を成すのがこの吹き抜け、昼間はドーム型のガラス天井から光が優しく差し込む。

この時期は吹き抜けにゴールドのボールオーナメントとクリスタルチェーンが煌めき、店内はより一層のクリスマスムードを増していた。


フォートナム・アンド・メイソンの上階では、洗練された品揃えのルームウェアやバスグッズなど上質な生活用品のコーナーも充実している。

その中でも特に素敵だったのが、シャンデリアのようなまばゆい輝きが優雅なフレグランスコーナー。

独自の世界観あふれる天井までの豪奢なディスプレイは、遠目からでも思わず目を奪われるような美しいインパクトだ。

レディース/メンズ問わず世界中からの名香が揃っており、調香コーナーではオリジナルの香りのクリエイトも。


ホリデーシーズンのフォートナム・アンド・メイソンでは、オリジナルブランド「F&M」の個性豊かなクリスマスグッズを見ているだけでも楽しい。

特に上階のクリスマスフロアでは、オリジナルモチーフのオーナメントや小物類が、どのコーナーからも溢れんばかりの充実した品揃えだ。


ブランドのシグネチャーカラーである「オーデニール(ナイルの水色)」のミントブルーにホワイトやシルバーなど、全体的に優しい色味が多い印象。

いかにもF&Mらしい上品なモチーフが多く、ティーポットやアフタヌーンティーなど、他にはない愛らしいオーナメントが多めに揃っていた。
オーナメント類は軽くて手頃でかさばらないので、毎年クリスマスツリーの飾りつけを楽しみにしている方へのお土産にも。



ロンドンの百貨店はどこもショップの個性が際立っているため、それぞれをじっくり見ても飽きることがない。

画一的にならない品揃えの充実、同じブランドでもプレゼンテーションやディスプレイが各店で異なり、それぞれのポリシーを感じられるのも面白い。

限られたスケジュールの中で、ショッピング時間の短縮にとデパートに入ったつもりが、ついつい時間とお金を費やしてしまう魅惑の空間…。
ロンドンのデパート巡りは最高に楽しく幸せな時間だが、私にとっては本当にうっかり油断できない場所でもある。



Mako

「tokyo amulet」スーパーバイザー。ジュエリー、グルメ、トラベルを担当。美味なるもの、美しいものを欲望のおもむくまま、どこまでも追い求める弾丸ジェットセッター。まだメジャーになる前の海外リゾートの発掘が趣味。

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